R3年度水産庁事業 スマート水産業推進事業のうちICTを利用した漁業技術開発事業 |
研究体制(スマート沿岸漁業推進事業共同研究機関)代表機関:いであ株式会社(代表者:竹内一浩) 参画機関:いであ株式会社,石川県水産総合センター,鹿児島県水産技術開発センター,九州大学応用力学研究所,一般社団法人漁業情報サービスセンター,熊本県水産研究センター,佐賀県玄海水産振興センター,島根県水産技術センター,千葉県水産総合研究センター,鳥取県水産試験場,富山県農林水産総合技術センター水産研究所,長崎県総合水産試験場,長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科,福岡県水産海洋技術センター,山口県水産研究センター 事業目的我が国の沿岸漁業や地方の漁村は長期的に厳しい状況に置かれている。漁業資源そのものの変化だけでなく、不安定な燃料費、魚価安、餌料費の高騰など、苦しい経営状況から特に沿岸漁業の就労者が高齢化かつ減少していることは周知の事実である。全国の小型漁船隻数もまた急減しており、後継者が存在しないばかりか、沿岸漁業に見切りをつけて転職する漁師も後を絶たない現実がそこにある。ブランド化に成功した呼子のケンサキイカに関わる漁家ですら、平均的な漁業支出のうち燃料費が40~60%を占め(年々変動が大きい)、原油価格の乱高下によって容易に赤字操業へ転落する脆弱な産業構造となっている。 人工衛星データや海況予測の情報を利用して、かなり情報化の進んだ外洋の大型漁業と比較してみると、零細な小型の沿岸漁業では未だ「経験」と「勘」を頼りにした操業が続いている。特に沿岸漁業者ではパソコン情報とは無縁の高齢者が多く、また経済的余裕もないため、小型漁船のICT化は一向に進まず、近年増えてきた漁況や海況のデジタル情報はますます大型船に有利な環境を作り出しているようだ。 こうした危機的な漁家経営を好転させる、つまり沿岸漁業の収益性を改善するためには、やはり日本が誇る科学や技術の力を利用するのがセオリーだろう。科学技術の活用こそが、漁業に限らず様々な分野で成功してきた日本の典型的なビジネスモデルである。 漁船漁業に活かせる科学技術には多数の選択肢がありうるが、漁業者の視点から期待される「いつ、どこで魚が捕れるのか」の問いに対しては、水産学、海洋生物学、海洋物理学といった自然科学や、衛星情報や計算機性能、ICTといった先端技術から有益な解答が得られるはずである。特に、漁場形成は海況変化と密接に関係していることは半ば漁師の常識であり、逆説的にみれば、沿岸海域の水質や潮流の変化を正確に予測することによって、出漁前に燃料費や漁獲量が見通せる計画的産業への変貌も夢ではないのである。そこで本事業では、福岡、佐賀、長崎の九州北部3県の海域をパイロットエリアとして3年間の開発フェーズを終え、昨年度からはより広範囲な沿岸海域でスマートな漁業技術を実証試験し、普及をも促進すべく対象海域を拡大している。 観測情報を即時的に処理して水産業のICT化を目指す多くの「スマート水産業」においては、多くの事例が養殖や定置網など定点漁業の生産性向上に限定されているが、当事業では、より広域に回遊する天然魚を狙う漁船漁業を効率化する「ICTスマート漁業」を展開する。漁船漁業のスマート化を拡張する方針は、水産庁が計画しているスマート水産業推進のロードマップにも符合する。つまり当事業は2021年度中に7日先予報を10県以上の漁業者に提供することを目指している。 報道など2022/4/26: 日本海新聞 海況を予測 操業を効率化 スマート漁業アプリ本格運用 2022/3/17: 水産経済新聞 7日先まで海況予測 2022/3/16: みなと新聞 スマホで海況を高確度予想 漁船スマート化で操業効率向上 2021/3/18: 海洋科学の10年事例集(日本語版) 2020/5/12: NHK WORLD-JAPAN ICTスマート漁業の取り組み 2020/3/26: NHKニュース ロクいち!福岡 スマート漁業の最前線 2019/11/29: 読売新聞 玄海の好漁場発信 2019/11: 財界九州 11月号 2019/4: 新学社 地理資料集 2019 2018/7: 月刊J-LIS平成30年7月号 漁場の海洋環境の見える化で沿岸漁業者をサポート 2018/5/27: 日刊工業新聞 ICTで漁場「見える化」 2018/5: H29水産白書「九州北部水域での漁場予測システム」 2018/2/22: みなと新聞 スマホでICT漁業 2017/10/17: 水産庁Facebookページ 2017/9/8: 水産庁Facebookページ 2017/7/29: 朝日新聞 予測IT漁師をお助け 海況予報実験リアルタイム予測実験中(DR_Dは毎朝5:00~5:30頃、DR_Sは7:00~7:30頃自動更新しています)
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